こんにちは!今回は、私が開発した 「栄養指導例作成ツール」 についてご紹介します。
このツールは、栄養士として働く中で「もっと効率的に栄養指導のシナリオを準備できないか?」と考えたことがきっかけで開発しました。主に 栄養士が練習や学習用途で利用することを目的 としています。
背景と開発の動機
栄養指導は、患者さん一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの対応が求められる仕事です。しかし、以下のような課題がありました:
- 指導内容を準備するのに時間がかかる。
- 新人栄養士が実践で困らないための練習機会が少ない。
- 個別化されたシナリオを作成するノウハウを蓄積しにくい。
そこで、AIを活用したツールを使えば、これらの課題を解決できるのではないかと考えました。
Difyを学びながら開発
実は、今回のツール開発を通じて Difyを初めて使いました。AIツールを使った開発に興味があり、学習目的で取り組みました。以下のような点に注力しました:
- Difyの基本機能の習得
Difyのプロンプト管理やワークフロー設定などを一つずつ学び、実際に手を動かしながら構築しました。 - プロンプトの工夫
栄養指導のシナリオを生成するために、以下のようなプロンプト設計を工夫しました:- 患者情報(年齢、性別、BMI、既往歴、性格など)を自然に会話へ反映する形式を試行錯誤。
- 会話のトーンや流れが栄養指導の現場に近づくように、「世間話」「具体的な改善策」「目標設定」のステップを明示的に指定。
- 出力内容が長すぎたり抽象的になりすぎないよう、各セクションごとの文字数を目安に設定。
栄養指導例作成ツールの概要
このツールでは、以下のような情報を入力するだけで、栄養指導のシナリオを自動生成できます:
- 年齢、性別、BMI
- 既往歴(例: 高血圧、糖尿病など)
- 性格(例: ポジティブ、慎重、自己主張が強い)
- 検査値(例: 血糖値、中性脂肪、HbA1cなど)
生成されるシナリオは以下のような流れで構成されています:
- 導入(リラックスした世間話からスタート)
- ヒアリング(健康状態や生活背景の確認)
- 栄養指導と目標設定(短期目標の提案)
- 改善策の提案(具体的な食事や運動のアドバイス)
- まとめと次回の計画
実際のツール画面
入力画面


シンプルなUIで、必要な情報を入力するだけでシナリオが生成されます。
出力画面例


出力される内容は実際の会話形式になっており、練習用のシナリオとしてそのまま使用できます。
開発環境と使用技術
開発環境:
- Dify: AIモデルの簡単な管理とUI構築を可能にするプラットフォームを採用。
- AIモデル: GPT-4-mini(OpenAI)を活用し、患者データに基づいた自然な会話を生成。
- フロントエンド: DifyのUIテンプレートをベースに構築。
- バックエンド: 必要なロジックはDifyのワークフロー機能で管理。
今後の展望
今後は以下の点を改善・拡張したいと考えています:
- シナリオのカスタマイズ性向上
栄養士が指導内容を自由に編集・追記できる機能を追加予定です。 - 学習ログの蓄積
練習履歴を記録し、どのようなシナリオが効果的だったか分析する機能を検討しています。 - 多言語対応
海外でも利用できるよう、日本語以外の言語での出力にも対応していきたいです。
最後に
このツールはまだ開発段階であり、栄養士の皆様のフィードバックをもとに進化させていきたいと考えています。
また、栄養指導におけるAI活用の可能性を広げる一歩になれば嬉しいです!
ぜひ試してみた感想やアイデアをお聞かせください 😊